英検準1級のライティング採点基準|内容・構成・語彙・文法の改善法

「文法は間違っていないはずなのに、ライティングの点数が伸びない」。英検準1級の意見論述(英作文)で、よく聞く悩みです。

英検のライティングは、文法の正確さだけで採点されるわけではありません。日本英語検定協会は、1級・準1級・2級の英作文について内容・構成・語彙・文法の4つの観点を公開しています。文法に誤りがなくても、内容や構成で減点されていれば得点は伸びません。

この記事では、公式に示されている観点と注意点をもとに、どこで失点しやすいのか、どう直せばよいのかを解説します。

準1級の意見論述の形式

準1級の意見論述では、TOPIC(問い)に対して自分の意見を述べます。問題冊子の指示は次のとおりです。

  • 与えられたTOPICについてエッセイを書く
  • 示されたPOINTSのうち2つを使って意見を支える
  • 構成は序論・本論・結論
  • 語数の目安は120〜150語

公式に示されている4つの観点

  • 内容:課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか
  • 構成:英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか
  • 語彙:課題に相応しい語彙を正しく使えているか
  • 文法:文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか

「文法は正しいのに伸びない」という人は、多くの場合、内容と構成で点を落としています。

失点しやすい4つのパターン

英検協会の解説では、解答作成時の注意点として次のような例が挙げられています。

  1. TOPICの問いに答えていない:問いの答えになっていない、または関係のない内容だと判断されると、すべての観点で0点と採点されることがあります。
  2. 意見と矛盾する理由や説明がある:「Yes」と答えたのに、「No」とも取れる理由を書くと、その理由は意見を支えるものとして数えられません。
  3. 理由に対する説明や補足がない:理由を挙げるだけで、なぜそう言えるのかの説明や具体例がないと説得力が弱くなります。
  4. 関係のない内容が含まれている:問いと関係のない内容や、他の部分と矛盾する内容は、構成の点で減点の対象となることがあります。

例題で考える(説明用に作成した問題)

次のような問題を例にします。英検の過去問ではなく、この記事のために作成したものです。

TOPIC: Should companies allow employees to work from home more often?
POINTS: Productivity / Cost / Work-life balance / Communication

よくある失敗例(本論の1段落)

改善前

First, working from home is good for productivity. Many people like working from home. Second, it is good for cost. However, some people feel lonely when they work at home.

文法上の大きな誤りはありませんが、次の問題があります。

  • 内容:「生産性に良い」「コストに良い」と述べるだけで、なぜそう言えるのかが説明されていません。
  • 内容:Many people like working from home. は「好きな人が多い」という話で、生産性の理由になっていません。
  • 構成:最後の文は在宅勤務のデメリットで、賛成の意見と矛盾する内容になっています。
  • 語彙:good for の繰り返しで、表現に幅がありません。

改善例と改善理由

改善後

First, remote work can improve productivity. Without long commutes, employees can start the day with more energy and fewer interruptions, which allows them to concentrate on demanding tasks. Second, it can reduce costs for both workers and companies. Employees save money on transportation, while businesses may be able to rent smaller offices.

改善した点は次のとおりです。

  • 理由ごとに説明を加えた:「通勤がない → エネルギーが残る・中断が少ない → 集中できる」と、理由がどのように意見につながるかを示しています。
  • POINTSを2つ使っている:Productivity と Cost を、それぞれ1つの理由として展開しています。
  • 意見と矛盾する文を削った:賛成の立場で一貫しています。
  • 語彙に幅を持たせた:improve productivity、reduce costs、concentrate on demanding tasks など、話題に合った表現を使っています。

自分でできる見直し方法

  1. 序論の1文目でTOPICに答えているか:問いに対して Yes / No がはっきりしているかを確認します。
  2. 理由の後に「なぜなら」「例えば」が続いているか:各理由に、説明か具体例が1文以上あるかを確認します。
  3. 意見と逆の内容が混ざっていないか:賛成なら賛成の理由だけで構成されているかを確認します。
  4. 同じ語や文の形が続いていないか:good、I think などの繰り返しを確認します。
  5. 語数が120〜150語の目安に収まっているか:序論・本論・結論の配分も確認します。

自己採点では判断しにくい点

  • 理由の説明が、読み手にとって十分に説得力があるか
  • 自分では自然だと思っている語彙・語法が、英語として適切か
  • 4つの観点のうち、どこで最も点を落としているか

特に「どの観点を優先して直すべきか」は、自分では判断が難しいところです。要約問題の書き方は「英検準1級の要約問題の書き方|何を残し、何を削るべきか」で解説しています。

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参考:ライティングテスト(英作文)の採点に関する観点および注意点(日本英語検定協会)/準1級の試験内容(日本英語検定協会)。形式の指示は2026年度第2回の問題冊子に基づきます。例題と英文は説明用に作成したもので、英検の過去問ではありません。