英検準1級の要約問題の書き方|何を残し、何を削るべきか

「本文のどこを要約すればいいのかわからない」「書いてみると70語に収まらない」。英検準1級の要約問題で、こうした悩みを持つ人は少なくありません。

2024年度から、英検準1級のライティングには意見論述(英作文)に加えて要約問題が出題されています。問題冊子の指示は、本文の内容を、できるだけ自分の言葉で、60〜70語の英語で要約するというものです。

この記事では、要約で「何を残し、何を削るか」の判断方法を、改善前後の例とともに解説します。

要約がうまくいかない主な原因

要約で点数が伸びない人には、次のような共通点があります。

  • 本文の文をそのまま書き写している:指示は「できるだけ自分の言葉で」です。本文の表現をつなぎ合わせただけの答案は、要約ではなく抜き書きになってしまいます。
  • 具体例を残しすぎている:例や数字を残すと、それだけで語数が埋まり、肝心の主張が入らなくなります。
  • 段落を1つ落としている:特に「しかし、反対意見もある」という最後の段落が抜けやすく、文章全体の構造が伝わらなくなります。
  • 自分の意見を書いている:要約は本文の内容を伝える問題です。「I think」で自分の意見を加える必要はありません。

例題で考える(説明用に作成した文章)

次の文章を60〜70語で要約するとします。英検の過去問ではなく、この記事のために作成した文章です。

In recent years, a growing number of small towns have started offering free or low-cost housing to attract young families. Many of these towns have seen their populations shrink as young people move to large cities for work and education.

Supporters say such programs can bring new life to local communities. New residents can help keep schools and shops open, and some start businesses that create jobs for others in the area.

However, critics point out that housing alone is not enough. Without stable jobs, good transportation, and medical services, many families may leave again after a few years. They also warn that the programs can be costly for local governments with limited budgets.

ステップ1:段落ごとに「一番大事なこと」を1つ選ぶ

まず、段落ごとに中心となる内容を日本語で一言にします。

  • 第1段落(背景):人口が減る小さな町が、若い家族を呼ぶために安い住宅を提供している
  • 第2段落(賛成側):新しい住民が地域を活性化する
  • 第3段落(反対側):住宅だけでは定着しない/自治体の財政負担になる

準1級の要約で出題される文章は、このように「背景 → 一方の見方 → もう一方の見方」という流れになっていることが多くあります。3つの段落それぞれから中心の内容を拾えば、要約の骨組みができます。

ステップ2:具体例は「まとめた言葉」に置き換える

第2段落の keep schools and shops open や start businesses は、「地域の活性化」を説明するための具体例です。すべてを残す必要はありません。

第3段落の stable jobs, good transportation, and medical services は、反対側の主張の中身そのものなので、短く言い換えて残す価値があります。このように、主張を支える例なのか、主張そのものなのかを区別するのが取捨選択のポイントです。

よくある失敗例

改善前

In recent years, a growing number of small towns have started offering free or low-cost housing to attract young families. Supporters say such programs can bring new life to local communities. I think this is a good idea because young people can enjoy nature in small towns.

この答案には、次の問題があります。

  • 第1段落・第2段落の文をほぼそのまま書き写している
  • 第3段落(反対意見)がまったく入っていない
  • 本文にない自分の意見(I think…)を加えている

改善例と改善理由

改善後(65語)

Some small towns with shrinking populations now offer cheap or free homes to attract young families. Supporters believe this can revive these communities, as newcomers help schools and local businesses survive and may even create jobs. However, critics argue that housing alone will not keep people there without jobs, transport, and healthcare, and that such schemes may place a heavy financial burden on local governments.

改善した点は次のとおりです。

  • 3つの段落の内容がすべて入っている:背景・賛成側・反対側が1〜2文ずつ対応しています。
  • 自分の言葉に言い換えている:low-cost housing → cheap homes、bring new life → revive、costly → a heavy financial burden など。
  • 対立関係を示している:However で、賛成側と反対側の対比がはっきり伝わります。
  • 自分の意見を加えていない:本文の内容だけで構成しています。

自分でできる練習方法

  1. 段落ごとに日本語で一言メモを書く:英語で書き始める前に、各段落の中心を一言にまとめます。
  2. 「例」と「主張」に線を引き分ける:具体例は、まとめた言葉に置き換えられないか考えます。
  3. 言い換えリストを作る:本文の重要語を、自分が正確に使える別の表現に置き換える練習をします。
  4. 語数を数える:60〜70語に収まっているかを毎回確認します。多すぎる場合は、具体例や重複している表現から削ります。
  5. 要約文の各文が本文のどこに対応するかを確認する:対応する箇所がない文は、自分の意見や推測が混ざっている可能性があります。

自己採点では判断しにくい点

練習を重ねても、自分では次の点を判断しにくいものです。

  • 言い換えた表現が、本文の意味を正しく保っているか
  • 削った情報の中に、残すべき重要な内容がなかったか
  • 文と文のつながりが自然で、読み手に構造が伝わるか
  • 語彙や文法の誤りが、意味の伝達を妨げていないか

特に言い換えは、意味が少しずれていても自分では気づきにくい部分です。意見論述の書き方は「英検準1級のライティング採点基準|内容・構成・語彙・文法の改善法」で解説しています。

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参考:準1級の試験内容(日本英語検定協会)/2024年度 問題形式リニューアル(日本英語検定協会)。語数の指示は2026年度第2回の問題冊子に基づきます。例題の文章と英文は説明用に作成したもので、英検の過去問ではありません。